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AGA診療ガイドラインを解説!薄毛治療の方法・薬の有効成分の推奨度まとめ

最終更新日:

AGA治療は主に、日本皮膚科学会が作成・改訂をしている診療ガイドラインに沿って行われます。治療法や治療薬の効果、推奨度などが記載されており、一般にも公開中のため、誰でも閲覧が可能です。AGA治療への理解を深めるために、ガイドラインのどこをどのように見ればよいか解説します。

この記事の監修者

  • 大阪大学医学部 卒業

  • 大阪大学医学部附属病院 第四内科(老年・総合内科学)入局

  • イースト駅前クリニック京都四条烏丸院 院長就任

  • イースト駅前クリニック神戸三宮院 院長就任

目次※知りたい情報をクリック

AGA診療ガイドラインとは?

AGA治療のために医師が参考にする診療ガイドラインです。名称は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」。初めに、当ガイドラインの作成に携わっている作成委員会と作成の目的をご紹介します。 (※1)

AGA診療ガイドラインの作成委員会

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」の作成委員会には17名が参画しています。この17名は、全員が大学医学部の教授や専門クリニックの院長など、言わば皮膚科の分野におけるスペシャリストです。信頼性も高く、全国の多くの病院やクリニックが、AGA治療において当ガイドラインを指針として治療をしています。 (※1)

AGA診療ガイドラインの作成目的

診療ガイドラインの目的は、科学的根拠に基づく情報を選出し、医師・患者にとって標準となる治療法の提示とAGAの診療水準を向上させることです。最初は2010年、日本皮膚科学会と毛髪科学研究会が共同で「日本皮膚科学会男性型脱毛症診療ガイドライン2010」を作成しました。その後、2017年に改定された現在の第2版が公開されています。今後も、医療技術の進化などを受けて改訂されていく予定です。 (※1)

AGA診療ガイドラインが検証した治療薬成分の推奨度まとめ

成分 用法 推奨度
フィナステリド 内服 行うよう強く勧める
デュタステリド 内服
ミノキシジル 外用
アデノシン 外用 行うよう勧める
カルプロニウム塩化物 外用 行ってもよい
t-フラバノン 外用
サイトプリンおよびペンタデカン 外用
ケトコナゾール 外用
ビマトプロストおよびラタノプロスト 外用 行わないほうがよい
ミノキシジル 内服 行うべきではない

AGA診療ガイドラインでは上記の通り、治療薬の成分9種類(ミノキシジルは外用・内服どちらも)が評価の対象です。ここでは、主に男性に対するAGA治療の有用性と安全性に関して、各治療薬成分と用法の推奨度について解説します。 (※1)

フィナステリドの内服〈行うよう強く勧める〉

代表的なAGA治療薬「プロペシア錠」(MSD株式会社)の有効成分として知られているフィナステリド。5α-還元酵素Ⅱ型を阻害し、薄毛の原因物質となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する働きがあります。 (※2)

デュタステリドの内服〈行うよう強く勧める〉

デュタステリドは「ザガーロカプセル」(グラクソ・スミスクライン株式会社)の有効成分です。フィナステリドと同様に、ジヒドロテストステロンの生成を抑制します。デュタステリドの特徴は、フィナステリドが5α還元酵素のⅡ型しか阻害しないのに対し、デュタステリドではⅠ型・Ⅱ型のいずれも阻害するという点です。 (※3)

ミノキシジルの外用〈行うよう強く勧める〉

近年、市販の育毛剤に導入されているのがミノキシジルという成分です。成分の含有量に気を付ければ、男性でなく女性にも効果があります。ただし、注意すべきは、推奨されているのが「外用」だという点です。インターネットを利用して購入できる個人輸入等で入手可能なミノキシジルの内服薬は、未承認薬であため、使用にあたっては用法や副作用に十分注意しましょう。

アデノシンの外用〈行うよう勧める〉

2番目に推奨度の高いランク「行うように勧める」と評価されている成分がアデノシンです。アデノシンも市販の育毛剤に配合されはじめています。ガイドラインに記載されている臨床試験によれば、ローションタイプに治療効果があらわれているようです。

カルプロニウム塩化物の外用〈行ってもよい〉

「アロビックス外用液」(長生堂製薬株式会社)の有効成分として知られるカルプロニウム塩化物。円形脱毛症の治療薬として使用されるのがメインですが、AGAの症状に対しても外用を「行ってもよい」とされています。 (※4)

t-フラバノンの外用〈行ってもよい〉

薄毛や抜け毛を予防する効果があると謳われ、市販の育毛剤に配合されているt-フラバノン。主な働きは、髪の健康的な成長を妨げるTGF-βというタンパク質の活性を抑制することです。副作用も軽いことから、「行っても良い」と判断されています。

サイトプリンおよびペンタデカンの外用〈行ってもよい〉

2つの成分を合わせて指し、市販の育毛剤に配合されていることがあります。サイトプリンの働きは、髪の成長に必要な骨形成促進因子(BMP)と血管新生誘導遺伝子(エフリン)の増加作用。ペンタデカンには、髪の主成分であるケラチンというタンパク質を合成するためのエネルギーを増やす働きがあります。

ケトコナゾールの外用〈行ってもよい〉

ケトコナゾールのクリームやローションは、主に白癬や脂漏性皮膚炎などの皮膚真菌症の治療薬として有名です。AGAに関しては、育毛効果があるとされるシャンプーに配合されることがあります。

ビマトプロストおよびラタノプロストの外用〈行わないほうがよい〉

本来は、緑内障に対する眼圧降下の目的で使用されていました。その際、見られたのが睫毛の発毛を促進する効果です。しかし、脱毛症に対する有用性に関しては、臨床試験によると、安全性が十分に確認されておらず、加えて高価なため、推奨はされていません。

ミノキシジルの内服〈行うべきではない〉

ミノキシジルの内服薬は降圧剤として開発されました。 全身の多毛症を起こす副作用があり、薄毛に対しても発毛効果が期待できる薬剤です。ただ、胸痛や 心拍数増加、呼吸困難、うっ血性心不全などの重大な心血管系障害が生じるリスクがある薬でもあることと、日本では未承認薬であることなどから、「行うべきではない」に分類されています。 効果を期待して内服する場合には、治療経験のある医師の指導のもと、副作用に充分注意しながら慎重に使用しましょう。

AGA診療ガイドライン検証の治療法と各推奨度まとめ

治療法 推奨度
植毛術 自毛植毛は行うよう勧める
人工植毛は行うべきではない
LEDおよび低出力レーザー照射 行うよう勧める
かつらの着用 行ってもよい
成長因子導入および細胞移植療法 行わないほうがよい

ガイドラインでは、AGA治療薬以外に4つの治療法について推奨度を記載しています。各治療法の概要と男性のAGAに対する有用性・安全性について解説します。

植毛術〈自毛植毛は行うよう勧める/人工植毛は行うべきではない〉

外科的に手術をして植毛する治療法には、自毛を使う方法と人工毛を使う方法があります。ガイドラインは、自毛の植毛については、高い生着率が世界で実証されていることから推奨度は上から2番目の「行うように勧める」です。一方、人工植毛については、米国の食品医薬品局が事実上の禁止をしていることなどから「行うべきではない」としています。

LEDおよび低出力レーザー照射〈行うよう勧める〉

LED および低出力レーザーを頭皮に照射して発毛を促す方法です。ガイドラインは、発毛効果を示す十分な根拠と副作用が比較的小さいことから、適切な機材を使用すれば推奨度は上から2番目の「行うよう勧めることにする」としています。ただし、適切とされる機材は日本ではまだ認可されていません。

かつらの着用〈行ってもよい〉

かつらの着用は医学的な治療法とは言えず、脱毛症状を根本的に改善するものではありません。しかし、かつらを着用することでQOL(Quality of life:生活の質)が向上し、副作用もないことから、ガイドラインは推奨度が上から3番目の「行ってもよい」としています。

成長因子導入および細胞移植療法〈行わないほうがよい〉

成長因子導入および細胞移植療法とは、毛髪・毛根再生機能を持つ成長因子や毛根の幹細胞を直接移植するなどして、発毛促進効果を期待する治療法です。しかし、現段階では効果も安全性も十分検証されていません。そのためガイドラインの推奨度は「行わないほうがよい」としています。

AGA治療を始める前に診療ガイドラインをチェック!薄毛の悩みは専門クリニックへ

専門家からなる委員会が作成した診療ガイドラインは、AGA治療において重要な指標です。 診療ガイドライン上で推奨されていない治療法や治療薬、 有効成分を自己判断で使用することはおやめください。

AGA治療は、専門の病院やクリニックで経験のある 医師の指導のもとに治療を進めることが、治療効果も期待でき、安全です。

イースト駅前クリニックでは、費用面も予算に応じて相談できます。
薄毛でお悩みの方は、ぜひ本格的なAGA治療を検討してみてください。

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プロペシアジェネリック(フィナステリド錠)は、2015年に国内で製造販売が開始されたプロペシアジェネリックです。

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ザガーロジェネリック(デュタステリド錠)は、2020年に国内で製造開始されました。

ザガーロジェネリック0.5mg

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頭皮の血行促進効果により、確かな発毛を実感することができるAGA治療薬です。

ミノキシジル5% 60mg

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※クリニックにより、処方価格が変わります。

アロビックス液とは、塗布タイプの脱毛治療薬です。患部に直接塗布することで、毛根の血行をよくして抜け毛を抑制し、発毛を促す効果があるためプロペシアとの併用が効果的といわれています。

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AGAについてのよくあるお問合せ

プロペシアの主な副作用はなんですか?

国内で実施された臨床試験(1年)において、4.0%(276例中11例)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められております。主な症状はリビドー減退1.1%(3例)、勃起機能不全0.7%(2例)等でした。まれに食欲不振、全身倦怠感(肝機能障害)の症状があらわれる可能性があります。このような場合には、ご使用をおやめください。

プロペシアについて

プロペシアの作用機序について教えてください。

テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン:抜け毛の原因物質)へ変換する酵素(5α-還元酵素II型)を阻害し、AGAの進行抑制・改善効果を発揮します。

服用中に献血をしても問題ないですか?

服用中の方は献血をすることができません。献血をしたい場合は、プロペシアは1ヵ月以上、ザガーロは6ヵ月以上服用を中止することが必要です。

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