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ゼニカルに期待できるダイエット効果は?副作用・飲み方・購入の注意点を徹底解説

最終更新日:

ゼニカルは、食事に含まれる脂肪の分解を阻害することで脂肪の吸収を抑制する医薬品です。その特徴から、近年ダイエット効果が期待できると注目されています。このコラムでは、ゼニカルはダイエットに期待ができるのか、気になる副作用はあるのかなどを徹底解説。副作用などの注意点を理解したうえで、ゼニカルを安全に服用し、正しい方法でダイエットを成功させましょう。

目次※知りたい情報をクリック

ゼニカルとは?

ゼニカルとは、脂肪分解酵素の働きを抑制して、
体内への脂肪の吸収量を減らす効果が期待できる薬です。

ゼニカルは、食事に含まれる脂肪が体内に吸収されるのを防ぐ働きを持つ成分を配合した医薬品です。ゼニカルに配合されている、体内の脂肪分解酵素の働きを抑制する成分「オルリスタット」は、脂肪の吸収を約30%抑制することがわかっています。

アメリカや欧米などを含む86カ国では、肥満症治療薬として承認済みで、BMIなどの数値が一定の基準を満たす肥満症の治療に使われています。一方、現在日本では、肥満症治療薬として承認されていないため、ダイエット目的で処方してもらうためには自由診断での受診が必要です。

(※1、2、3)

ゼニカルに期待できるダイエット効果

  • 脂肪分解酵素の働きを阻害する
  • 脂肪が体内に吸収されるのを抑制する
  • 吸収されなかった脂肪を便として排出を促す

ゼニカルに含まれている有効成分「オルリスタット」は、脂肪分解酵素である胃リパーゼや膵リパーゼの働きを抑制するのが特徴です。脂肪の分解を抑制する「オルリスタット」の働きにより、食事に含まれる脂肪が体内に吸収されにくくなり、便として排出されます。

脂肪は、炭水化物やタンパク質などに比べて1gあたりのカロリーが高い栄養素です。その脂肪の吸収を抑制することで、エネルギー摂取量も減らせるので「オルリスタット」はダイエットをサポートする成分です。

(※1、2、3)

ゼニカルの効果が発現・持続する目安時間

効果が発現する目安時間 約1、2日
効果が持続する目安時間 約2、3日
体型の変化が感じられる目安期間 約2〜3週間後

一般的には、ゼニカルを服用してから1〜2日程度で油が便として排出されます。1回の服用により、効果は2〜3日続く傾向があり、実際に体型の変化を感じられるのは2〜3週間ほどとされています。

スウェーデンで行われたBMI28〜38の患者382例を対象とした研究では、ゼニカルを服用して3.79kgも減少したという報告もあります。しかし、実際に体型が変化するまでの期間や具体的な体重の推移については、個人差が大きいので注意が必要です。

(※1、3、4)

ゼニカルはどんな人におすすめ?

  • 脂っぽくこってりとした食事が好きな人
  • 出張が多く頻繁に外食をする人
  • 夜遅くに食事をする機会が多い人
  • 過度な食事制限や運動が苦手な人

脂っぽい食事が好きな人や外食を頻繁にする人、夜遅くに食事を摂ることが多い人など、生活習慣や食事のコントロールが難しい人におすすめです。食事制限や運動などのダイエットが続かず挫折したことがある人は、一度医師や専門家に相談してみるのもいいでしょう。

ゼニカルの飲み方

  • 医師の指示に従って服用する
  • 1回1錠を食事中か食後1時間までに服用する
  • 服用の回数は1日3回まで
  • 治療中の疾患がある場合は治療薬の併用に注意
  • 飲み忘れても2回分をまとめて服用してはいけない

ゼニカルは医薬品であるため、安全に使用するためにも医師の指示に従いましょう。ゼニカルの服用方法として、1回1錠を食事中または食後1時間以内のタイミングで服用します。

もし、服用を忘れてしまったとしても、次のタイミングで2回分を服用するのは、副作用のリスクを高めるので絶対にしないようにしましょう。もし、飲み忘れた場合は、次の服用タイミングから通常通り服用してください。

(※1、2、3、4)

【注意】ゼニカルの副作用・禁忌・併用について

ゼニカルは医薬品に分類されているため、サプリメントや健康食品に比べて副作用のリスクもあります。薬やサプリメントとゼニカルとの併用に問題が生じる可能性もあるので、現在服用している薬やサプリメントがある人は、服用前に医師に相談しましょう。

ゼニカルの主な副作用

副作用

油混じりの便の排出

ゼニカルは脂肪の分解を抑制する成分「オルリスタット」が配合されているため、便と一緒に油が出る傾向にあります。油混じりの便が出るのは、成分が効果を発揮している証拠ですが、トイレ掃除が大変になる可能性もあるので注意しておきましょう。

油漏れの発生

ゼニカルの成分「オルリスタット」によって体内に吸収されなかった脂肪は、肛門から油が漏れ出ることがあります。とくに、体外へ排出される脂肪量が多いと、無意識に油漏れが起きるため、下着や衣服を汚さないようにする工夫が必要です。
油漏れが気になる場合は、大人用のおむつや生理用ナプキンで対策しましょう。

ガスや排便回数の増加

ゼニカルを服用すると、腸にガスが溜まりやすくなり、おならが増える可能性があります。お腹が張ったり、不快感があったりすることもあるので気になる場合は対策が必要です。

また、便意を催す機会も増えるので、急にトイレに行きたくなることもあります。外出などで急な便意を避けたい場合は、ゼニカルの服用を控えたほうがよいでしょう。

脂溶性ビタミンの欠乏

ゼニカルを服用すると、脂溶性ビタミンが欠乏する可能性があるので注意が必要です。脂溶性ビタミンとは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKのこと。脂溶性ビタミンは、脂肪の排出とともに排出されます。

ビタミン不足にならないように、野菜や果物を多めにとったり、サプリメントを活用したりするなどの対策も大切です。サプリメントを服用する際は、ゼニカルを服用後(もしくは前)の2時間以上タイミングをずらして服用しましょう。

肌の乾燥

ゼニカルの成分「オルリスタット」によって脂肪の吸収が抑制されると、肌の乾燥が進む可能性があります。通常、肌から出る油分は、肌から水分の蒸発を防ぐ役割を担っています。
しかし、ゼニカルを服用することでその油分も抑制されてしまうため、普段よりもスキンケアを丁寧に行うなど乾燥対策もしっかりしましょう

(※1、2、3、4)

ゼニカルの禁忌

禁忌
  • ゼニカルの含有成分にアレルギーを持っている人
  • 胆汁うっ滞を抱えている人
  • 慢性吸収不良症候群を抱えている人
  • 妊娠・授乳中の人
  • 小児

ゼニカルを含め、すべての医薬品にはアレルギーを引き起こすリスクがあります。ゼニカルの含有成分にアレルギーがある人は、服用によってアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるので服用はできません。

慢性吸収不良症候群を抱えている人は、ゼニカルの服用により脂肪分やビタミンの欠乏を起こす可能性があります。

また、胆汁のうっ滞がある場合は、脂肪の吸収に必要な胆汁が腸内で不足し、脂溶性ビタミンが不足する可能性があります。脂溶性ビタミンが不足することで、出血しやすくなったり、骨密度の減少を起こしたりする可能性があるので注意が必要です。

(※1、2、3、4)

ゼニカルとの併用に注意が必要な薬

併用に注意すべき薬
  • シクロスポリン
  • レボチロキシン
  • ワルファリン
  • アミオダロン
  • 抗てんかん薬
  • 抗レトロウイルス薬

医薬品は、併用することで薬の効果を最大限に発揮できなくなるものもあります。上記の医薬品は、ゼニカルと併用すると、効果が落ちたり、思わぬ副作用が出たりする可能性があるので、服用の際には注意が必要です。

ゼニカルの服用中は脂溶性ビタミンが欠乏しやすいため、ビタミン系サプリメントの服用を推奨される場合もあります。各疾患の治療薬やサプリメントを服用する際は、医師の指示のもと服用してください。

(※1、2、3、4)

【通販や個人輸入はNG】ゼニカルはどこで購入できる?

クリニックを受診し、医師の診断のもと処方してもらいましょう。

ゼニカルは、副作用のリスクが存在する医薬品であるため、医師の診断のもと処方してもらいましょう。ゼニカルの服用方法や副作用、注意点などを十分に説明してくれる医療機関を選ぶことも大切です。

インターネットを検索すると通販や個人輸入などでゼニカルが出回っていますが、日本において承認された医薬品ではないため、粗悪品や偽物を購入してしまうリスクがあります。通販サイトや個人輸入で入手した医薬品の服用は、健康被害を招く可能性もあるので絶対に購入はやめましょう。

ゼニカルをダイエットに用いる際の注意点

  • 飲み忘れや飲むタイミングに注意する
  • 食事や運動など生活習慣を見直す

脂肪の吸収を抑制する成分を配合したゼニカルですが、正しく服用していないと十分に効果を発揮しません。注意点を押さえて、ゼニカルを上手に活用し、効率的にダイエットを成功させましょう。

飲み忘れや飲むタイミングに注意する

ゼニカルは適切な服用タイミングで飲まないと、「オルリスタット」成分の分解抑制効果を実感しにくい場合があります。食事中もしくは食後1時間以内に服用することが重要です。飲み忘れが続いたり、医師の指示とは異なる時間に服用したりすると効果が出にくいため、医師の指示通りのもと適切に服用しましょう。

食事や運動など生活習慣を見直す

ゼニカルはダイエットのサポート医薬品として世界では使われていますが、服用するだけで必ず痩せるわけではありません。ゼニカルの服用と同時に、食生活を見直したり、無理のない範囲で運動を取り入れたりして生活習慣の改善も行うこともダイエットを成功させるためには重要です。

ゼニカルに関するQ&A

ダイエット目的でお薬を使うのは、さまざまな心配事があるかもしれません。ゼニカルに関するよくある質問と回答をまとめたので、ぜひご参考にしてください。

Q.ゼニカルは保険適用で購入できる?

A.ダイエット目的の場合は保険適用されません。自由診療にて購入可能です。

日本においてダイエット薬として承認された医薬品ではないので、保険適用はできません。ダイエット目的でゼニカルを入手するためには、自由診断で購入する必要があります。医療機関によって金額は異なるため確認しましょう。

Q.ゼニカルの値段は?

A.1ヶ月あたり2万円程度かかることもあります。(医療機関と服用回数によって異なる)

医療機関や服用回数によって値段が異なる場合もあるので注意が必要です。ゼニカル1錠あたり300〜450円程度、1ヶ月あたり2万円以上かかる場合もあります。加えて、診察代もかかるため、全体の値段については受診する医療機関で確認しましょう。

Q.ゼニカルにジェネリックの医薬品はある?

A.ゼニカルにもジェネリック医薬品は存在します。

ゼニカルにもジェネリック医薬品が存在するので、費用を抑えたい人はジェネリック医薬品がおすすめです。ジェネリック医薬品は、特許の切れた医薬品を別の製薬会社が開発費をかけずに製造できるため、同じ成分と効果で費用を安くできるメリットがあります。

Q.ゼニカルに危険性はある?

A.ゼニカルにも副作用があるので注意が必要です。

ゼニカルは医薬品の1つのため、一定の副作用のリスクはあります。また、ごく少数ですが、重篤な肝障害がみられたという報告があります。食欲不振や黄疸などの症状がみられた場合は、服用を中止して医療機関へ受診してください。

(※3、4)

ゼニカルを服用しても効果が感じられない場合は?

A.生活習慣の改善とゼニカルの正しい使用法を確認してください。
【効果が感じられない場合に考えられる原因】

  • 正しい飲み方ができていない(服用のタイミング・服用回数)
  • 食事量が多いままの状態が続いている
  • 栄養バランスが偏った食事を続けている
  • 適度な運動を取り入れていない など

ゼニカルを使用しても体重に変化がない理由として上記のことが考えられます。ゼニカルによって食事中の脂肪の吸収を抑制しても、食事量が多いままだったり、栄養バランスが偏った食事を続けていたりすると効果が現れにくいでしょう。食事量や栄養バランスの改善、運動など生活習慣の改善と指示通りの服用を行うことが重要です。

Q.ゼニカル以外にダイエット効果が期待できる薬はある?

A.GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、医療用漢方薬などがあります。

日本において、2型糖尿病治療薬として承認されている医薬品や、医療用の漢方薬などがあります。

GLP-1受容体作動薬 GLP-1受容体に働きかけて食欲を減らす効果が期待できる
SGLT2阻害薬 腎臓のSGLT2に働きかけて体内の糖を尿と一緒に排泄する
医療用漢方 新陳代謝向上と便通改善、むくみ改善が期待できる

(※5、6)

ダイエットにお悩みならメディカルダイエットも選択肢に!

ゼニカルは、食事中の脂肪の分解を抑制し、体内の脂肪の吸収を抑える医薬品です。余分な脂肪が排出されることにより、体重減少にもつながるためダイエット効果も期待できます。
生活習慣の改善や適度な運動も取り入れつつ、医師の診断のもと適切に服用し、理想的なダイエットを叶えましょう。

イースト駅前クリニックでは、内服薬による肥満症治療を提供する「メディカルダイエット外来」を開設しています。医師が診察を行い、適切な薬を処方してダイエットをサポート。患者さま一人ひとりに合わせた治療プランを提供するので、無理なくダイエットを目指したい人は、イースト駅前クリニックにぜひご相談ください。

参考URL

※1) 抗肥満症をめざした創薬「消化吸収阻害系薬物」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/118/5/118_5_340/_pdf

※2)J-STAGE「消化吸収阻害系薬物」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/118/5/118_5_340/_article/-char/ja/

※3)J-STAGE「新たに登場する抗肥満薬の動向と展望」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/3/103_753/_article/-char/ja/

※4)DailyMed「XENICAL-orlistat-capsule」
https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/lookup.cfm?setid=6240792b-9224-2d10-e053-2a91aa0a2c3e

※5)北海道大学学術成果コレクション HUSCAP
「(2) GLP-1受容体作動薬 (III. 糖尿病治療薬に関する最近の話題 3. インクレチン関連薬)」
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/78867

※6)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「カナグリフロジン水和物 G カナグル錠100mg 患者向医薬品ガイド」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/3969022

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