AGA外来
AGAの症状とは?
【AGA治療の基礎知識】
主な原因、代表的な治療法と薬の種類、診療の流れについて解説
AGAにはさまざまな治療法があり、効果の不明な情報も流布しています。こうした現状を危惧して、日本皮膚科学会はガイドラインを公表しました。今回はこのガイドラインを参照しながら、国内で広く行われているAGA治療法について見ていきます。治療がどんなプロセスで行われているのかも紹介します。

目次
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1. AGAとは?
AGAとは「Androgenetic Alopecia(アンドロジェネティック・アロペシア)」の略称です。日本語では「男性型脱毛症」と呼びます。AGAを発症すると、毛髪が成長しないまま抜けてしまい、だんだんと薄くなります。進行性であることも特徴です。また、女性が発症した場合であればFAGA「女性型脱毛症」と言われます。(※1)
2. AGAの原因とは?
AGA(男性型脱毛症)は、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンが原因で発症する脱毛症です。ジヒドロテストステロン(DHT)が、毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結びつき、ヘアサイクルが乱れることがAGAの原因となっています。
このジヒドロテストステロン(DHT)は、男性ホルモン「テストステロン」を「5aリダクターゼ(5a還元酵素)」という酵素の働きで変化させることで発生します。AGAの症状には5aリダクターゼ(5a還元酵素)のⅠ型、Ⅱ型という酵素が関係しており、前頭部や頭頂部にはその酵素が多く存在しています。そのため、AGAの症状は前頭部や頭頂部の毛髪に現れると言われているのです。(※2)
3. そもそもAGA治療とは?効果の有無
AGA治療の目的は男性型脱毛症(AGA)の改善です。AGAは毛髪の成長と生え替わりに関係しています。
毛は「毛包」という場所から生えて成長します(成長期)。成長しきると毛包は衰え(退行期)、やがて休止し(休止期)、この間に毛が抜け落ちます。そしてしばらくしてまた成長期に入るというサイクル(毛周期)を繰り返すのです。成長期が極端に短くなったり、休止期が長引いたりするのがAGAです。主な原因は男性ホルモンから作られるジヒドロテストステロン(DHT)で、これが多いと毛周期に支障をきたします。
AGA治療はジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑制したり、毛周期を正常にしたりすることを目指します。現在さまざまな治療法が登場しているため、効果の不明なものも多く、どれに頼ったらいいのかわかりにくい状況です。日本皮膚科学会のガイドラインは1つの指標なのです。適切な情報を頭に入れたうえでクリニックや医師を選ぶことが、効果を最大化するためには不可欠です。(※1)
4. AGA治療の主な方法
内服薬治療 | ジヒドロテストステロン(DHT)生成を阻害する薬や毛包を活発化する薬を服用 |
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外用薬治療 | 毛包を活発化するローションなどを毛髪部に塗布 |
メソセラピー | 内服・外用に用いられる薬を頭皮に直に注入 ※イースト駅前クリニックでの取扱はありません |
HARG | 髪の成長を促す「成長因子」を頭皮に直に注入 ※イースト駅前クリニックでの取扱はありません |
このように、薬剤を用いた方法に限ってもたくさんのAGA治療法があり、それぞれ狙うポイントやアプローチが違います。次に述べる内服薬・外用薬による治療法は効果が確実とされており、現在主流のAGA治療方法です。
5. AGAの治療薬の代表的な種類
以下に挙げるものを含め、どのAGA治療薬も効果を実感するまでにはある程度時間がかかり、効果にはピークがあり、利用をやめると症状が再出現します。このことは投薬治療を受けるさいにぜひ念頭に置いてください。また、AGA治療は自由診療ですので価格はクリニックによってまちまちなため、あくまで相場価格帯としてご覧ください。
5-1. プロペシア
プロペシアはMSD社(米メルク)が開発した薬で、アメリカでは1997年、日本では2005年に承認されました。主成分はフィナステリドで、AGAの主原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害する働きを持ちます。日本皮膚科学会ガイドラインではプロペシアの処方が推奨されています。
投薬方法 | 内服薬 |
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価格帯相場(1ヶ月) | 5,500~8,000円 |
ジェネリックの有無 | あり |
(※3)
5-2. ザガーロ
ザガーロはグラクソ・スミスクライン社が開発した薬で、日本では2015年に承認されました(アメリカでは前立腺肥大症の薬としてのみ承認)。主成分はデュタステリドで、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害します。プロペシアに用いられているフィナステリドよりジヒドロテストステロン(DHT)生成阻害効果がやや高めです。ザガーロの処方もガイドラインで推奨されています。
投薬方法 | 内服薬 |
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価格帯相場(1ヶ月) | 8,000~10,000円 |
ジェネリックの有無 | 国内では未承認 |
(※4)
5-3. ミノキシジル
ミノキシジルは1970年代から血管拡張薬として用いられており、後に発毛効果が発見されました。毛包に作用して成長期を伸ばし、休止期から成長期への移行を促します。プロペシアやザガーロとは働き方が違うため、基本的には併用可能です。内服については日本ではまだ承認されておらず、医師と患者の自己責任で行われます。ガイドラインでも外用のみが推奨されています。
日本ではミノキシジルの医療用医薬品はまだなく、市販品が使用されています。内服・外用ともに個人輸入も盛んで、費用はずいぶん安くすみますが、リスクは大きいと言えます。
投薬方法 | 内服薬・外用薬 |
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価格帯相場(1ヶ月) | 内服:8,000~10,000円 外用:5,500~13,000 |
ジェネリックの有無 | あり |
(※5)
6. AGA治療のプロセス

実際にクリニックでAGA治療を受ける場合のプロセスについて見ていきましょう。自毛植毛術という治療法についても簡単にご紹介します。
6-1. 初診
初診は医師の診察とカウンセリングが中心です。拡大鏡などを用いて外から観察するだけで診断には十分とも言われますが、クリニックの方針や患者の希望によってはジヒドロテストステロン(DHT)に関する測定や遺伝子診断などが行われます。初診時から定期的に頭髪を写真撮影して経過を観察するクリニックもあります。
投薬治療を行うことが決まると、血液検査がなされることもあります。治療薬の効き目と副作用のリスクを見積もるのが目的です。プロペシアなどが重篤な副作用を引き起こすことはまれですが、他に持病があると副作用が問題となる場合があります。また、体質によってジヒドロテストステロン(DHT)が働きやすい(したがってAGAが進みやすい)人とそうでない人がいますが、血液検査で比較的簡単に見分けることもできます。
AGA治療は自由診療ですので、「初診料」はクリニックごとに異なります。多くのクリニックでは5,000円程度の初診料がかかります。これには血液検査料が含まれている場合とそうでない場合があります。再診料は初診料の半額程度で、無料というところもあります。初診料も無料で、費用は薬代だけというところもあります。そうしたクリニックでは血液検査は省略され、診察と投薬だけが行われます。
6-2. 治療法の選択・経過
AGAと診断されたら投薬治療から始めるのが一般的です。治療薬の効果が出始めるまでには3ヶ月から半年ほどが必要ですので、医師と相談しながら十分に経過を見ることが大切です。すぐに効果が出ないからといって中断してしまうと、それまでの治療が無駄になります。投薬治療をやめればジヒドロテストステロン(DHT)や毛包の状態はもとに戻ってしまうため、治療薬は使用を続けるのが基本的な方針です。(※1)
7. AGA治療は焦らず、医師との連携で気長に取り組む
これを行えばAGAが完全に治るというような方法はまだありませんが、ご紹介した治療法は効果が確かめられているものばかりです。
投薬治療は効果が現れるまである程度の時間がかかり、治療を持続しなければもとの状態に戻ってしまいます。AGA治療では費用面も含めて長期的な見通しを持ち、医師と連携しながら気長に取り組んでいくことが大切です。
8. AGA治療の保険適用について
AGA治療薬で薄毛を改善するためには継続して使用する必要があるため、医療費は高額になりがちです。そのため、保険が適用されるかどうかは大きな問題だといえます。結論からいえば、AGA治療に保険は適用されません。自由診療となるため、医療費は全額自己負担となります。治療に保険が適用されるかどうかは、厚生労働省が決定します。認められる基準としては、その治療が生命にかかわるかどうか、日常生活に支障をきたすかどうかがあげられます。AGA治療は命にかかわるものではなく、美容整形やレーシック、歯科インプラントなどと同じく審美的な意味合いが強いものとなります。そのため、AGA治療は自由診療となるのです。AGA治療で保険は適用されませんが、医療費控除は受けられる可能性があります。医療費控除とは、自分や家族が支払った医療費等の負担額が年間で10万円(所得が200万円未満の場合は所得金額の5%)を超えた場合、超過分を所得から控除できるというものです。AGA治療が医療費控除の対象となるかどうかは所轄の税務署によっても判断が異なりますが、クリニックで処方してもらったAGA治療薬の場合は医療費控除を受けられる可能性が高いといえます。AGA治療を実施しているクリニックであれば、こうした医療費控除についての相談もできます。
9. AGA治療費の相場
AGAの治療は、プロペシアやザガーロ、ミノキシジルといったAGA治療薬が用いられます。これらの治療薬は一度使えばずっと効果が続くというものではないため、満足のいく効果が得られるまでは使い続けると良いとされています。そのため、AGA治療薬の価格は治療費に影響を与えるようです。
AGA治療薬の中でもよく利用されているのが、内服薬であるプロペシアです。AGA治療は自由診療であるためプロペシアの薬価は各クリニックによっても異なりますが、1シート7,800円~9,000円程度となっています。プロペシアは1シート28錠なので、1錠あたり280円程度です。近年はプロペシアの特許が切れたことから、ジェネリック医薬品の処方も開始されています。ジェネリックの場合は1シート3,800円~5,000円程度で、1錠あたり150円程度となっています。2016年から販売が開始された内服薬であるザガーロの場合、1箱8,000円~9,500円程度で処方されます。ザガーロは1箱30錠であるため、1錠あたり280円程度となります。なお、ザガーロにはジェネリックはありません。
AGA治療薬はクリニックでの処方以外に、個人輸入で購入することもできます。この場合、クリニックでの処方に比べて安価で手に入れられることがほとんどです。ただし、個人輸入には偽造薬(厚生労働省 未承認薬)の危険性があるため、利用は推奨されていませんし、服用したことで体に悪影響が出たとしても、個人輸入は自己責任の為国からの保証を受けることができません。
またイースト駅前クリニックの場合は、抜け毛対策や発毛を望まれる方でも、3,800円~治療が可能です。初診の方に関してはさらにお手軽にお求め頂くこともできます。
※クリニックによって価格が異なります。
10. まずは医師の診断を
AGA治療薬は個人輸入でも手に入れることができるため、「クリニックを受診するのが恥ずかしい」「面倒」といった理由からクリニックを通さずに購入するケースがみられます。しかし、上述したように個人輸入には偽造薬(厚生労働省 未承認薬)のリスクがあり、薬自体に問題がなかったとしても医師から説明を受けなければ正しく使用することができません。こうしたことから、まずはクリニックを受診することをおすすめします。
AGAについて相談できるクリニックはいくつかあるため、比較・検討して納得できるクリニックをお探しください。
11. 参考:イースト駅前クリニックの傾向
イースト駅前クリニックに訪れた患者様の傾向はこちらとなります。
AGA治療患者様

AGA治療患者様 年代別分布

AGA治療についてを
動画でご紹介致します

参考URL
※1)日本皮膚科学会ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
※2)グラクソ・スミス・クライン「ザガーロカプセル0.1mg ザガーロカプセル0.5mgに関する資料」
http://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P20151001001/340278000_22700AMX01012_B100_1.pdf
※3)MDS株式会社、プロペシア添付文書
https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/if_propecia_tab.pdf
※4)グラクソ・スミスクライン株式会社、ザガーロ添付書
https://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00065940.pdf
※5)日本ジェネリック株式会社、ミノキシジル添付書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1801000183_01_A.pdf
この記事の監修者

2006年03月 北海道大学医学部卒業、2013年04月 札幌医科大学付属病院 研修医、2016年03月 釧路優心病院 精神科 勤務医、2017年10月 イースト駅前クリニック京都四条烏丸院 院長就任
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イースト駅前クリニック
4つの特徴
イースト駅前クリニック
2つの安心
AGAについてのよくあるお問合せ
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プロペシアの主な副作用(※1)はなんですか?
国内で実施された臨床試験(1年)において、4.0%(276例中11例)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められております。主な症状はリビドー減退1.1%(3例)、勃起機能不全0.7%(2例)等でした。まれに食欲不振、全身倦怠感(肝機能障害)の症状があらわれる可能性があります。このような場合には、ご使用をおやめください。
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プロペシアの作用機序について教えてください。
テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン:抜け毛の原因物質)へ変換する酵素(5α-還元酵素II型)を阻害し、AGAの進行抑制・改善効果を発揮します。 -
服用中に献血をしても問題ないですか?
服用中の方は献血をすることができません。献血をしたい場合は、プロペシアは1ヵ月以上、ザガーロは6ヵ月以上服用を中止することが必要です。
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< 監修 >
札幌院院長:斉藤 泰博 医師、仙台院院長:長浦 主税 医師、新宿西口院院長:畔上 卓昭 医師、新宿東口院院長:岩崎 裕太 医師、池袋院院長:村上 博之 医師、渋谷院院長:東平 哲之 医師、上野院院長:千葉 岳 医師、秋葉原院院長:宮路 貴晶 医師、新橋院院長:春日井 震 医師、五反田院院長:松本 貴博 医師、立川院院長:村田 博昭 医師、町田院院長:横山 利光 医師、横浜院院長:関 康宏 医師、川崎院院長:岡田 和樹 医師、高崎院院長:廣瀧慎太郎 医師、大宮院院長:半田 譲 医師、川越院院長:中野 智樹 医師、柏院院長:管野 隆治 医師、船橋院院長:植田 琢也 医師、土浦院院長:石川 哲生 医師、大田屋クリニック院長:佐藤 孝典 医師、大田屋いまい泌尿器クリニック院長:今井 佑樹 医師、静岡院院長:高柳 健二 医師、名古屋院院長:平田 勝俊 医師、名古屋栄院院長:犬塚 善博 医師、名駅院院長:稲垣 昌泰 医師、新潟院院長:太田 正孝 医師、金沢院院長:栗林 正人 医師、京都院院長:秋田 和宏 医師、梅田院院長:藤田 良治 医師、大阪院院長:薗 雅宏 医師、なんば院院長:東城 博雅 医師、天王寺院院長:須見 善充 医師、神戸三宮院院長:篁 隆雄 医師、岡山院院長:橋詰 顕正 医師、広島院院長:久保田 守 医師、高松院院長:西原 修造 医師、松山院院長:日比野 貴文 医師、あけぼのクリニック院長:門田 靜明 医師、博多院院長:堀内 能之 医師、小倉院院長:倉員 忠弘 医師、熊本院院長:師岡 公彦 医師
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